双子エピソード
「お前の言い分がオレが一番嫌いな連中そっくりだからだよ。大抵そういう奴らは、されるがままだったりするんだよ。お前、相手に何かしてやろうとか思わないわけ? 返してやろうとかおもわねぇのかよ? あんまりじゃねぇ、それ」
「……」
「ったく、こんな奴相手してられっかよ。オレは帰るからな」
「わた、しは……っ」
「あいつの言い分は確かに、的を得てはいる。イリアが大事だと思うなら、そろそろ、返してやることも考えてやれ。別に、あいつを受け入れることは、あいつに支配されることじゃないだろう、ミレニア。お前にはどうしても、そうなってしまうのかもしれないが、守ることは、ただ剣を抱いてあいつの前に立ちはだかることだけなんじゃないと、私は思う。支えること、受け容れること、それだって、守ることの、一つの形だと、私は思う。そうやって、私はお前たちに守られてきた。イリアに対してだって、きっと同じことだと思うぞ、ミレニア」
「セナ様、申し訳、ありません……」
「何故謝る。馬鹿だな、お前は」
「で、レイ。お前は俺に何を返してくれるんだ?」
「ヴァル……! やっぱ聞いてやがったのかよっ」
「聞こえてくるんじゃしょうがねぇだろ? で? 何を返してくれるんだ?」
「……っ! このヘンタイクソ狼!!」