双子エピソード
ユイスとレイスの会話
なんでお前赤の他人にそんな親切にできるんだ?
レイはなんでもできるもんね
僕はドジだし、とろいから、他の人がいないと生きてけないってわかってるもの
そういうもんか
そういうもんです。
でも、レイだって何でもできるって思ったって、実は何もできないんだってこと、薄々気づいてるんじゃないの?
……。さすがユイ。何でもお見通しだな。
そうかもしれない。
料理作れば、腹下すようなもんしか作れねぇしな
それは、ちがうんじゃないかな……(苦笑)
冗談だって。
けど、事実俺は無力だって思う。
無力であることを認めたくなくて、ひたすら周りをバカにして、突っぱねていた。
さしのべてくれた手を取ることもできず、周りを傷つけまくって……。
残ったのは、孤独感だけだった。
もう少し、ちゃんと周りに頼るって言うか、周りを見れるようになれればよかったのにって、思う
ゆっくり、これからそうなっていけばいいんじゃないかな。レイのペースで
それに、一人じゃないよ
ああ、わかってる
一人だなんて思ってたのが嘘みたいだ。
いつだって俺は誰かに支えられてたのに。
ありがとな。
それはヴァルディースさんとかに言ってあげなよ
いや、一番言わなきゃいけないの、お前だから。
俺があの、どうしようもなく荒んだあの世界で諦めずにすんだのは、おまえがどこかに生きてるって信じてたからだ。
だから、まず一番に言わなきゃいけないのは、おまえなんだ。
生きててくれて、ありがとうな。ユイ
レイ……。
僕こそ。レイとまた会うことが出来て、こうして笑うことが出来て、ほんとうに、嬉しかった。
ありがとう