moonlight 改稿版(後編)
エピローグ
朝のホームルーム前。
「ネオちゃん!」
二年一組の教室で、廊下側から二列目の一番後ろの席に座った麻倉音緒(あさくら ねお)は、声を掛けられる。
「おはよっ、みおっち!」
みおっち――竹下実緒(たけした みお)に挨拶(あいさつ)をかわす。
あれから二週間が経過した。
――総合祭が終わった後、実緒はホームルームには出席せずに自分の身に何があったのか、学年主任の先生に事のすべてを正直に話した。
それにより、実緒を不登校させるほど貶(おとし)めた向井亮介(むかい りょうすけ)は翌日、昼休みに職員室に無理矢理担任に連れてこられ、二年生を受け持つ全教師を前に、警察のような事情聴取を受けた。最初は口を開かなかったが、ネオとみちる、そして美術の部長のありのままの証言プラス先生方の鬼のような形相を前に、観念して実緒を傷つけたことを話すことになった。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ