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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|100ページ/104ページ|

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 それを基(もと)に生活指導課の先生と担任、校長の話し合いの結果、彼は一か月間の停止処分と部活の退部を言い渡されたが、「それだけはやめてください!」という実緒の申し出により、退部は免れた。そんな心優しい彼女の一言を受け、向井は泣き崩れてしまったのだとか。
 そのことについて心配したネオは、携帯で彼女とやり取りをしたのだが、
『ネオちゃんみたいに……向井君ともそういう関係でいたいから。美術部の仲間が一人減るのは嫌だし、わたしもネオちゃんみたいに向井君の手を取りたいの。私も、ネオちゃんみたいに、前に進みたいから。大丈夫、わたしに何かあったら、ネオちゃんが助けてくれるんでしょ?』
 多くは話さなかったが、実緒なりの考えがあるのだろう。ネオのように、自分も彼と対等になって、友人という関係を築いていきたいのかもしれない。
 そして実緒は、一週間後に復帰することが決まった。
 この間にネオは、クラスメイト全員と実緒についての話し合いを放課後に開き、「実緒が学生生活に復帰できるような環境にしてほしい」と頼んだ。
 しかし、それは杞憂(きゆう)であった。
 クラスメイトは全員その気でいたのだ。おとなしいけど、授業中に分からないところを教えてもらったり、話しかけたら話してくれるし、掃除時間でも細かいところまで見たり、気配り上手だし、とみんなそれぞれ、実緒に好感をもっていたのである。しかも、男子生徒にはファンもいた。彼らは、彼女のことをちゃんと見ていたのだ。