moonlight 改稿版(後編)
「えっ?」
「えっ!?」
茜が呼んだ名前に、ネオはビクッとなる。
彼女の向いている方向――校舎の角から一人の女子が現れる。それはブレザーとスカートを正しく着た、見覚えのある彼女――竹下実緒だった。
久しぶりのネオに、
「ね、ネオ、ちゃん……」
身体を震わせながら、恐る恐るネオの顔を見上げる。
そんなネオに、
「なーに怯えてんのよ、実緒!」
気負(きお)うことなく、明るい表情で彼女を見つめるネオ。
「わたしの曲、聴いてくれた?」
「うん。CDよりも、すっごく、良かった……」
「そう。よかった、一週間頑張った甲斐(かい)があったよ」
ネオは実緒に微笑む。
「ネオちゃん……わたし、わたし……」
実緒の瞳から大粒の涙が溢れる。
「謝り、たくて……」
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ