moonlight 改稿版(後編)
「……ったく。もーっ! なんで、なんでこうなるんだーっ!!」
巧から離れ、健斗は俯いて両手で頭を抱えた。
「まあ、ナル男はナル男だからねぇー」
ぐふふ、と悪戯っぽい笑みで健斗を見つめる。
「そうッスよ! だいたい、ロックフェスや毎月のライブで、ネオ先輩がオレをナル男って言うから、こうなったんじゃないっスか――!!」
ネオに向かって指を差す健斗。
「いやいや、あんたがアニソンを歌うからでしょ!」
ネオも立ち上がって健斗を責(せ)める。
「アニソンは関係ないっス! どう見てもステージ上でナル男と言った先輩のせいっス! この殺人鬼ヘアーが!」
健斗はネオに近づいて反撃する。
「あたしは真実を言ったまでよ! こんのナルシスト!」
「ナルシストはそっちだろーっ! ワガママリーダー!」
「ワガママなのはそっちも同じでしょー!」
う――――――っ!
飲み干したペットボトルをギュッ! と握りしめ、バチバチと火花を散らすネオと健斗。
もう! とみちるが割って入ろうとするが、
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ