moonlight 改稿版(後編)
「――というわけでね……」
「みちる、はやくやってよー」
「いつまでMCをやってんだよ! もう時間ねーぞ!」
「うっ……」
ネオのために、みちるがMCをやって粘っていたが、限界のようだ。タイムシフト上、あと少しで自分たちのパフォーマンスも終わる。だというのに、この目的を知らない学生からしてみれば、苛立ちが募るばかりだ。それだけ、自分たちの曲に期待する人たちが増えている証拠ではあるが……。
「そうだね、ゴメン。じゃあ、ネオ」
寂しそうな表情を浮かべるネオの下に、みちるがやってくる。タイムリミットだ。ネオの方をポンと叩き、首を左右に振る。
ネオはコクン、と小さく頷く。
「うん。それじゃあ、用意したとっておきの新曲を――」
その時だった。
「……!」
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ