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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|84ページ/104ページ|

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 みちるの重厚(じゅうこう)なギターの響き、健斗のドラムさばき、そして、間奏のときに、
「かっこいい――――――!!」
 と女子学生から言われながらも、みちると一緒に前へと出て、楽しそうに曲を引き立て、自分のエレキベースのテクを見せつける巧。本番前のうじうじした彼とは違う。今日もエンジン全開だ。そして、リーダーであるネオの歌唱力。
 曲が終わるたびに拍手喝采(はくしゅかっさい)、歓声が轟(とどろ)く!
 その大波に乗るかのように、自分たちのボルテージも高くなる! 自分たちの音楽で!
 まさにネオが望む『自分たちと観客がこの瞬間だけ一つになる』ステージへと登りつめていった。
 そして、時間はあっという間に過ぎていき、
「えー、楽しい時間も残念ながらね、これが最後の曲になって、」
「ええ――――――――――っ!?」
 ライブではつきものの、残念がる観客たちの声。
「もう時間がないんだぁー、次のプログラムがあるからねぇ……」
 ネオは残念そうな声音で観客に答える。
 「嫌だ――――――っ!!」「まだやって――――――!!」という声が聞こえる度に、ネオに笑みがこぼれる。諦めずにバンドをやってよかったと思える。