moonlight 改稿版(後編)
暗幕のところに立っている、総合祭実行委員の男子が声をかける。
どうやら『夢の舞台』に立つ時間のようだ。
「よーし、それじゃあ、」
ネオがみちるを見つめる。彼女は頷き、
「うん! 円陣を組むよー!!」
おおっ! と四人は円になり、みっちぃ、健斗、巧、ネオの順に手を重ね、本番前の儀式を始める。
「みんなぁ! 今日は思い出に残る最っっっ高のライブにするわよ!! いいわね!!」
「「「おおうっ!!」」」
リーダーの叫びにメンバーが応える。そして、
「いくわよ! 一瞬の光をつかむのはー……せーの」
四人の手が勢いよく弾み、
「「「「モウメ――――――ンツ!!」」」」
一斉に天井に向かって振り上げた。
「さあ、行くわよ!」
自分たちの音楽に絶対の自信を胸に秘め、ネオたちは今か今かと待ちわびている学生たちの下へ――自分たちが唯一大きな輝きを放つステージへと向かった。彼女たちの顔は岩国総合高校の学生ではなく、バンドグループ、moment'sの顔になった――。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ