moonlight 改稿版(後編)
「さあ! みなさん、たい! へん! 長らくお待たせしましたぁ! いよいよ、いよいよ、彼女たちのご登場です! 去年は女子学生デュオとして、学校中を騒がしていた二人が、今年は一年生部員を加え、生徒会と実行委員直々のオファーで参加が決定したこのバンド! 前へ踏み出す瞬間を、彼女たちとここで刻もうじゃないかあああああああああっ!」
司会進行役である総合祭実行委員長の大山茜と同じクラスである、片平隼人(かたひらはやと)の全力のハイトーンシャウトに、「わ――――――っ!!」と彼女たちを見に来た大勢の者がハイテンションな声をあげる。まるで講堂がライブハウスになったみたいだ。
「それでは、呼ぶぜえぇぇぇぇ!! 岩国総合を揺るがせた四人組公認ロックバンド!!
モウメ――――――――――ンツ!!!!」
「ゥワ――――――――ッ!!」
顔を赤くしながら、ステージから出ていく隼人とは対照的に、堂々と実行委員がセットしたステージへと向かう。自分たちのポジションへと移動し、みちると巧はあらかじめステージに置いているそれぞれの愛用の楽器を手に取り、健斗は後ろにあるドラムの方へ。それぞれ音を確かめ、巧とみちるはアンプを回して調節する。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ