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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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 そして、
「そうね……そうよね。分かったわ。実緒の大切な友達の頼みだものね。明日は仕事が休みだし……うん。なんとかしてみるわ」
「ほ、本当ですか!?」
 ネオの喜びを含ませた声音に、実緒の母は頷き、
「うん。とりあえず、このCDを実緒に渡しておくわ。来れるかどうかは、あの子の気持ち次第(しだい)になるけど、それでもいい?」
「はい! それだけで十分です」
「ありがとうございます」
 ネオとみちるはまた、深々と頭を下げた。


「これでいいんだよね、みっちぃ」
「ああ。間違ってないよ、ネオ」
 帰り道。二人は実緒のことを考えながら、自転車を押して団地の長い坂を下っていく。
 ここ一週間、ずっと彼女のことばかり考えていた気がするなとネオは思った。
 あの日から――実緒がドアを閉めて、ひとり別の世界へ行った時からずっと。