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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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 ネオの隣にいるみちるが、想いを伝える。
「それで、おばさん。あの、難しいとは思いますが……頼みたいことがあるんです」
「頼みたいこと?」
 ネオは覚悟を決めた真剣な表情で実緒の母を見つめる。
「これを実緒に渡したうえで……明日、明日だけでいいです。実緒を、学校に連れてきてくれませんか?」
「え?」
「わたし、実緒の前でこの曲をどうしても歌いたいんです! この歌は、実緒の前で歌ってこそ意味があると思うから……」
「ネオちゃん……」
「だから、お願いします! いつでもいいから、わたしたちのステージが始まる二時頃でもいいです! 実緒を連れてきてください!」
 ネオは実緒の母に深々と頭を下げた。それに続けて、
「あ、あたしからも、よろしくお願いします!」
 みちるも頭を下げた。
「ちょ、ちょっと二人とも、顔を上げて」
 二人の姿勢に、実緒の母は困惑気味(こんわくぎみ)に「うーん」としばらく考え込んだ。