moonlight 改稿版(後編)
歯をギリギリと噛みしめ、専門教室棟の階段を二階から三階へと上っていく。
あのときのように友達を失いたくない。
失ってたまるか!
――友達を失った出来事の一部始終(いちぶしじゅう)が、フラッシュバックされる。
※※※
小学生五年生の頃、ネオはクラスメイトに傷つけられた苦い思い出があった。親友の裏切りによって。
ある日の放課後。「私服に着替え次第、また学校で会おうよ」と、同じクラスであり、幼稚園の頃からずっと一緒だった親友(女の子)に呼ばれた。ネオは素直に親友の誘いに乗り、家にランドセルを置いて私服に着替え、すぐさま小学校へ向かった。
待ち合わせ場所である下駄箱の前で親友と落ち合い、自分たちのクラスから二つほど離れた教室に連れてこられる。そこでネオは、先に待っていた彼女の友達――意地の悪そうな女子二人を紹介された。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ