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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|59ページ/104ページ|

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「うっス!」
 みちるが四人で作った円の中心に差し出した手の上に健斗が手を重ね、
「タク!」
 巧が黙って手を重ねる。そして最後に、
「ネオさん!」
「うん」
 最後にネオが手を置く。
「リーダー! 頼むよ!」
 みちるの掛け声に、分かった! とネオは応(こた)える。
「みんなぁ! 明日は最っっっ高のライブにするわよ!!」
「「「おおうっ!」」」
「いくわよ! 一瞬の光をつかむのはー……」
 勢いよく弾ませ、四人の手が一斉に振り上がり、
「「「「モウメ――――――ンツ!!」」」
 気合いの入った彼女たちの声が、空に向かってこだました。


                   ※※※


 部活が終わり、ネオとみちるは一年生二人組と別れ、
「ごめんくださーい」
 実緒の家を訪ねた。
「あらネオちゃん」
 玄関のドアが開き、実緒の母が二人を迎える。
「こんな時間にどうしたの?」
「いえ、ちょっと、実緒が元気かなあって……」
「わざわざありがとう。だけど、あの子はまだ部屋でずっと塞ぎこんでいて……」
「そう、ですか……」
 母親の暗い表情が、ネオたちまで暗くする。
「ごめんね。せっかく来てくれたのに」
 申し訳なさそうな精一杯の笑顔をみせる実緒の母。
「いや、いいんです。そ、それよりも、今日はこれを渡したくて……」