moonlight 改稿版(後編)
そう思うと、体中に満たされていた『不安』という二文字が消えた。
「みんな、ありがとう」
ネオはメンバーに感謝の言葉を告げる。
「何をいまさら。やってやろうぜ!」
みちるはネオに向かって拳を突きだす。
「うん!」
ネオもそれを突きだし、彼女の拳に軽くぶつけた。
「よーし、最後はアレをやるよ! ネオ、いいよね」
「もっちろんよ! 明日に向けて気合いをいれちゃおう!」
「ま、マジっスか!?」
みちるの提案に、健斗は思わず上体を軽く反らす。
「何? あたしが考えた本番前のゲン担ぎが嫌だっての?」
「い、いえ、こんなところでやるのが、なんだか恥ずかしくて……」
「へえー、健斗、いつも偉そうなことを言っているのに、意外とシャイなんだー」
ネオが茶化す。
「そ、そんなわけないじゃないっスか! みっちぃ先輩、とっととやりましょう!」
「はいはい。あたしたち以外、誰もいやしないよ。……はい、健斗!」
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ