moonlight 改稿版(後編)
恥ずかしそうに、最大限の思いを伝える。
「巧、『はず』ではない、だろ?」
「そ、そうですね! す、すいません、ネオさん!」
巧は慌ててネオに向かって、お手本と言えるような斜め45度の角度で、ビシッと謝罪の一礼をする。
「ははは」
ネオは苦笑いを浮かべる。
「巧、真面目すぎ」
健斗につっこまれ、巧は、
「ううっ……」
顔を赤らめ、俯く。その形相に笑うみちると健斗。
このやり取りで、ネオはあることを再認識した。
わたしは一人で戦っているんじゃない。メンバー全員がわたしの友人のために戦ってくれている。背中にはみんながいる。だから、わたしはここに立ち続けることができたんだ。自分が作った『あの歌』のように。笑ったり、泣いたり、怒ったり、悲しんだり、色々な感情を分かち合える『当たり前の生活』を壊すことは許されないんだ。明日は、それを守るために歌うんだ。みんなと一緒に。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ