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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|55ページ/104ページ|

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 みちるは額に手を当てて、ネオと健斗のやりとりに呆れる。
 ははは! と、ネオは笑い、
「でもそれが、わたしたちらしさ、じゃない?」
「そうっスよ、変に気構えるのって性に合わないっスよ、みっちぃ先輩」
 健斗が続ける。
「うん! みんながありのままの気持ちで音と声を届けるのがわたしたちmoment’sだよ」
「……そうですね」
 ネオの言葉に賛同する巧。
 そんな彼女たちの言い分にみちるはふふっ、と笑みを浮かべ、
「まっ、確かに、こんな個性派ぞろいに、なーにを言っても無駄だわな」
 彼女の開き直った発言に、ぷっ! とネオが吹き、ははははは! とメンバーは大笑いした。これがバンドとしての『あるべき姿』なのかもしれない、とネオは思った。
 存分に大笑いして落ち着きを取り戻したメンバーは、真剣な目つきで各々の顔を見つめ合う。
「……」
 時がとまったような数秒の沈黙が続いたあと、
「あとはこれだね」
 ネオはカバンからCDケースを取り出す。この中身には、昨日完成した『あの曲』が入っている。アイツのために歌った曲が。