moonlight 改稿版(後編)
昇降口前。輝く星空の下、機材を無事に返した四人は円になって、
「よーし、明日はいよいよ総合祭本番だ! あたしらが目標にしていたステージだ。学生たちに、あたしらの最高のパフォーマンスを胸に刻んでやろうぜ!」
みちるが今日の活動の締めを告げる。
明日はいよいよ総合祭――文化祭である。
自分たちが目標にしていたステージに立てる、待ちに待った日。
「うん。ここまで頑張ってきた成果を出そう!」
ネオの言葉に、三人は頷く。自信に満ちた表情で。
「そして明日は、総合祭のためにみんなで決めたコスチュームをぜぇったい、忘れないように! 特に巧! 恥ずかしいとか言ってワザと忘れんじゃねぇぞ!」
ビシッ! と巧に向かって勢いよく指を差すみちる。
「え……本当に、あれを着るんですか……?」
全くこの男は、動揺する巧にネオはため息漏らし、
「……何度も言うけど、タッくんが言ったのよ。『後ろ向きな思考を、音楽を通じて変わりたい』ってあんたが言うから、わたしたち三人のコスチュームよりも三割増しの良い服を買ったんだから」
「た、確かに言いましたけど……やっぱり、それとこれとは……」
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ