moonlight 改稿版(後編)
周囲にある古臭い窓ガラスから、うるせぇ! と教師たちが忠告しているかのように、ガタガタと揺れる。しかし、彼女たちの前では演奏楽器の一つに過ぎない。その音も、かき鳴らす音色へと変化する。
四人はアイコンタクトを取る。
ボーカルの女子が両手を勢いよく振り下ろす。
そして、
ド――――――ン!
バンバン!
「やったぁー! 何とか間に合ったー!」
リハーサルを終え、ネオは両手を上げて喜びを露(あら)わにした。
「ああ、間に合ってよかったよ」
ふう、とみちるが一息をつく。
「そうっスね!」
奥にあるドラムセットのところに座っている、白いバンダナを巻いている男子――健斗が、
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ