moonlight 改稿版(後編)
ネオは、部屋に戻って再び布団に寝そべり、置いてある紙に鉛筆で書いていった。すらすらと言葉が浮かぶ。
――実緒! アンタは、ひとりじゃない!
彼女への想いを歌詞に込めていくネオを、月が優しく見守った。
※※※
そして、一〇月四日。夜。
夜の闇に包まれ、静寂と化している中、岩国総合高校の片隅にある、演劇部が使っている古ぼけたプレハブ小屋の中から、ギュイイイ――――――ン!! と強く輝く一等星のように、自分たちの存在を示している。
「イエ――――――――――ッ!!」
ネオが高らかにシャウトする。
それに呼応するように、後ろにいる三人が――エレキギター(みちる)、エレキベース(巧)、ドラム(健斗)が狂乱的に鳴り響く。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ