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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|48ページ/104ページ|

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 ネオは二階の右の部屋を使っている。ちなみに左の部屋は、兄――広樹(こうき)が使っている。
 机の上は学校で使っているノートや音楽雑誌がぐちゃぐちゃに散乱しており(その上、服も置きっぱなし)、女性らしからぬ、部屋の汚さだ。よく堂々と友達を入れることができるものだ。
 その空間でネオは、一〇代に絶大な人気のあるラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』を聴きながら、用紙とにらめっこしていた。
「ううーん」
 ああは言ったものの、なかなか歌詞が浮かんでこない。
 綺麗な言葉の方がいいのかなと考えるが、出てくる言葉はストレートな言葉ばかり。器用な言い回しの歌詞を書くのは、ネオにとっては難しかった。
 MC(教頭)の名台詞である『高二はいいぞ!』発言を聴いたところで、MDコンボの電源を切る。
「ふう、焦っていても仕方ないか」
 とりあえず、夜の空を眺めてみるか。もしかしたらピンとくるかもしれない。
 ネオは立ち上がりベランダに出て、夜風に当たった。
「うう……寒いなあ」