moonlight 改稿版(後編)
本当に、いいメンバーが加わってくれたものだ。
「二人とも、ありがとう!」
ネオは、健斗と巧に最大限の感謝を礼で表す。
かしこまる彼女に一瞬戸惑(とまど)うも、ニッ! と健斗は口を横に広げて、
「オレらに礼は不要っスよ、先輩。どーせ、嫌だとか言っても、みっちぃ先輩が説得するんでしょ? 何が何でもやるって顔をしていましたよ。だったら、先輩の言うことを、オレたち一年が文句を言う義理は無いっスよ」
健斗は隣にいる巧に、なあ? と同意を求める。
「……う、うん。俺たちの曲で、彼女が前へ向いてくれるのであれば、これほど嬉しいことはないですよ……それこそ、moment’sじゃないですか!」
巧らしからぬ熱い言葉に、
「も、もう、タっくんのくせに、格好いい事を言っちゃって!」
このこの! とネオは彼の背中を叩く。巧の顔がすぐに赤くなる。
「まっ、偉そうに言いましたけど、結局は、ネオ先輩のワガママにオレたちはいっつもついて行っているだけっスからねー!」
へへん、と健斗がネオに向かって悪戯(いたずら)っぽい笑みを浮かべる。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ