moonlight 改稿版(後編)
ややあって、みちるは自転車に乗り、右手を挙げ、
「当たり前だよ」
と言い、公園を出ていった。
その様子に、ネオはほっとした。
そして、その背中に向かって、「ありがとう」と心の中で伝えた。
「……って、ま、待ってよー!」
自転車の鍵を開け、ネオはすぐにみちるの下へと向かった。
「――先輩のお願いなら、しょうがないっスね!」
プレハブ小屋で、昼にあった出来事をネオから聞いた健斗は、開き直った態度で受け入れる。
巧も、
「……やりましょう」
とクールな態度を装(よそお)うも、彼の胸の中には熱いものが込み上がっているなとネオは感じた。
隣にいたみちるに左肩を、軽く叩かれた。「言ったとおりだろ?」と無言でネオにウインクしてみせる。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ