moonlight 改稿版(後編)
ネオは『ワガママ』というワードに引っ掛かり、
「わ、ワガママって何よ!?」
不満げな表情で健斗を見返す。
「そのままを言っただけですよ! いっつもオレたちに何も言わずに、選曲も決めたり、選曲が合わないものだって、『部長の権限(けんげん)』で意地でも押し通そうとするし……ワガママ以外の何物でもないじゃないっスか!」
「なにをーっ!」
両者の間に見えない火花が散る。
しかし、
「こら! 喧嘩をしている場合じゃないだろ!」
とみちるに押されて、お互いの額をゴツン! とぶつけられる。
「いったぁーい!」とネオ。
「……ってー」と健斗。
はぁー、とみちるからため息が漏れる。まったく、何度漏れたらいいのやら。
「と・に・か・く! 時間がないんだ! 彼女に届く曲は何か、とっとと考えるよ!!」
命令するかのように、みちるは三人に指を差す。
「うーん、そうは言っても……オレたちの気持ちを伝えられるドストレートな曲っスかあ……」
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ