moonlight 改稿版(後編)
まるで希望の光だ。これはきっと、前に進めという暗示だ。この光を、実緒にも見せてやりたいとネオは思った。
「さぁーてと!」
みちるが背伸びをする。
「そうと決まったら、今日の練習から何とかしないとね。まあ、まずはあの二人を説得するのは……なんとかなるけど、問題は曲だな。こればっかりは話し合わないとね。よし! じゃあ、学校に戻るよ、ネオ!」
「うん」
みちるは置いてある傘を自転車のかごの中に入れ、自転車を押し出し、先に小屋からでていく。
先を行く彼女にネオは、何か言わなくちゃ、何か言わないと……、そんな気持ちが強くなる。
そして、
「み、みっちい!」
「何?」
「あ、あのね……。来てくれて、ありがとう! そして、ごめん。わたし、これからも素直に言えないかもしれないけど……わたしの友達でいてくれる? みっちぃを頼っても……いい!?」
友人に対して言いたかったことを全て吐き出し、ネオは長い息を吐いた。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ