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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|26ページ/104ページ|

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 ――実緒の手をとって、暗い闇に染まった景色から引っ張り出したい。
 しかし、インターホン押しても何も反応がない。
 だがそれでも、ネオは何度も何度も鳴らした。
 そして、

 ガチャ!

「実緒!」
「ネオ、ちゃん……」
 緑の縦縞(たてじま)模様のパジャマを着た実緒が、恐る恐る顔を出した。精神的に疲れたのか衰弱しており、『恐怖』という塊が、全身を蝕(むしば)んでいるみたいだ。
 でも、それでも実緒はいたのだ。
「よかった……最近、学校に来ないから心配したのよ」
 彼女がいることが確認でき、ネオはハァーッ、と安堵(あんど)の息が漏れる。
「何かあったの?」
 向井のことは分かっていない素振りで、そして彼女が怯えないようにネオは優しい口調で訊ねる。