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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|21ページ/104ページ|

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 アハハハハハ! と向井は高らかに嘲笑(ちょうしょう)した。
 その卑劣(ひれつ)で傲慢(ごうまん)な態度に部員たちは、他人事(ひとごと)のように見つめていた。向井に逆らうことのできない奴隷みたいだ。
 『部員にバカにされる』という実緒の言葉が、ネオの脳裏(のうり)に浮かぶ。
「だからボクは、竹下さんを追い詰めていないのさ! あいつは、ボクの居場所を壊そうとした報(むく)いを受けたのさ!」
 向井は俯(うつむ)いているネオの顔を覗(のぞ)く。
「これで分かっただろう。このボクに逆らうとどうなることが! 悪いことは言わないよ、麻倉さん。キミも素直に……、」
「ははは、何よ、それ?」
 うん? と首をかしげる向井に、ネオは怒りのこもった声色(こわいろ)で、

「この根性なしのゴミクズ野郎が!!」

 その瞬間、美術室が無音(むおん)と化した。
 誰も喋ることができない。