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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

INDEX|20ページ/104ページ|

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「そう。このボクより上の、ね」
「!?」
 向井の冷たい笑みから、湧(わ)き上がる怒りが溢(あふ)れてくる。
「おかげであいつはこのボクを差し置いて、部員の中の誰よりも上手くて、憧れの対象さ。あいつは、無許可にボクの地位を奪いやがったんだよ!」
「!」
 向井の意味不明な言いがかりに、ネオは絶句する。
「入りたての頃は、ボクが部活のエースだった。他の部員よりも賞をいっぱいとって、先輩や同級生からも、憧れの対象となってたんだよ。 ボクこそが美術部の頂点! ボクこそが天才絵師だってね! だけど、そんなボクの居場所をあいつは……」
 ぎゅっと握る向井の両手が震える。俯いていた彼は、グンと顔を上げ、
「おかげでボクのプライドはズタズタさ。しかも、部員に褒められても、あいつは謙虚で大人しいし、なんだかお嬢っぽくてさ。そんなやつと交代するなんて、それはもうムカムカしてたよ。だからさ――」
 向井はニヤッと変人のように狂った笑みを浮かべ、
「あいつの絵を毎日、ラクガキしてむちゃくちゃにしてやったのさ! どっちが『格上』だったのかをハッキリさせるためにね。あいつの絶望に満ちてその場で佇(たたず)んでいたあの表情、実に愉快(ゆかい)だったよ! フフフフフ……」