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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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 向井と呼ばれた男子は、「ふふふ」とネオをあざ笑いながら、こちらに向かってきた。彼の冷たく見えるその笑(え)みに、部長は「ひぃっ!」と慌(あわ)てて二人の間に入る。教室の空気も急激(きゅうげき)に冷えていく。
 ネオは向井という名前と顔に聞き覚えがあった。コイツは確か、みちると同じクラスの――向井亮介(りょうすけ)だったはず。
 でも、そんなことはどうでもいい。相手が誰であろうと、ネオの態度は変わらない。茨(いばら)のように刺々(とげとげ)しい形相で向井を見上げる。
「へーえ。このボクに対していい度胸してるね、麻倉さん」
「あんたに褒(ほ)められても、何もないわよ」
 強がるネオに向井はヘン、と上目使い。
「実緒が不登校する原因を作ったのは、アンタだね?」
 静かな怒りに燃えるネオの唐突(とうとつ)な発言に、ハハハハ! と哄笑(こうしょう)する向井。
「ボクのせい!? 笑わせてくれるね! 逆だよ。あいつ自身が原因なんだよ!」
「な、何、それ? 一体、どういうことよ!?」
「ふふふふ。竹下さん、夏のコンクールで何を取ったと思う?」
「へ? 金賞でしょ。全校集会で校長から表彰を受けていたじゃない」