moonlight 改稿版(後編)
彼女は学校で姿を見せることはなかった。ネオが何度も携帯電話でメールや電話をかけても返事が来ない。
「何か、あったのかな」とみちるに相談するが、「急病で休んでいるんじゃないの」と言われ、確かに急病で入院しているのなら出ることもないし、気を使わせたくないから先生に口止めしているのかも、と一応、そういう風に解釈していた。
そして、休みをはさんで七日目。総合祭開催まで一週間となったこの日も、彼女は登校しなかった。
――絶対におかしい……。
自分の知らないところで何かがあったんだわ!
そう感じたネオは、帰りのホームルーム終わった直後、教卓にいる担任の大嶋(おおしま)先生に訊(たず)ねた。
「先生、あの、訊(き)きたいことが……」
「どうしたの? というか、あなた、服装!」
「あっ、すいません」とネオはしぶしぶと服装を正す。
普段は穏やかなのに、校則マナーに関しては厳しいので面倒くさい。まあ、それも実緒のためだ。そうしなくては、質問すら答えてくれそうにもない。
作品名:moonlight 改稿版(後編) 作家名:永山あゆむ