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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(後編)

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 そんな彼女の異変に気づけなかった自分が、今でも腹が立つ。ネオは未(いま)だにこの出来事を自分への戒(いまし)めとしている。
 確かに彼女は悪いことを犯(おか)した。だけど、彼女の気持ちを汲(く)み取ることはどこかでできたはずだ。それが分かるのは、ずっと一緒にいる自分だけ。もしそれができていたら、変わったかもしれない。親に相談することだってできたはずだ。それができず、親友を失ったのが悔しくてたまらなかった。
 ――それを再び起こしてはいけない!
 ネオは静寂と化した教室の中で、学生たちがガヤガヤとしている――美術部が活動している美術室へと辿りついた。
 ネオはためらいもなく、

 バン!!

 勢いよく教室のドアを開いた。
 その力強い音が、美術室にいた部員全員を黙らせた。キャンバスに向かって色を塗る作業も中断する。「あんた誰?」と言っているような視線が、ネオを完全アウェイな状況にさせた。
 上等じゃない! ネオは孤立(こりつ)状態に動じず、険悪な顔つきで堂々と中へと入っていく。