エイユウの話~終章~
姿見の前に人型の魔物が座り込んでいる。
教員室に生徒が持ち込んだその言葉に、ジャックは驚いた。慌て席を立ち、年甲斐もなく姿見の前まで走った記憶は鮮明に残っている。そしてまた、学園反乱の時のような、ボロボロの服のままで座り込んでいた少年の姿も、だ。
「ああ・・・キースさん!」
「ここは・・・学校?反乱は・・・」
混乱しているキースを保健室へ連れて行き、そこでジャックは一から十まで成り行きを説明した。彼は当然のことながら信じられないと言う顔をしたが、頭がいいためすぐに状況を的確に理解し、信じざるを得ないことにもすぐに気付いた。
「そう・・・か、アウリーも、ラジィも、亡くなったんだね・・・」
「はい」
「ありがとう、ジャック」
「気にしないでください、また会えてとても嬉しく思います」
その後、キースはジャックの養子となったが、その際姓名の変更は一切行わず、キートワース・ケルティアと言う名で、緑の導師をしていた。
作品名:エイユウの話~終章~ 作家名:神田 諷