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和尚さんの法話 「仏教と占い」

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非科学的というような言葉になってきて、迷信とこうなってくるわけですね。だからオカルト即迷信と、こういうふうな意味で使われているのではありませんか。
本来は、超現実的な、超科学的な、超常識的な現象というのがあるんです。
要するに平たく言えば占いは当たりますよと、当たりますよということは、そういうことは分かるんですよということですよね。






和尚さんの所に相談に来る人が多くいますが、そのなかのお話しをしたいと思いますが、このお話しも以前にお話ししたかと思うのですが、初めて人もいらっしゃいますので、もう読まれた方には辛抱して頂きたい。

これも不思議なお話しなんですが、或る女性が相談に来たそうです。
その女性は或る男性と恋愛をしているのですが、どうもその相手の男性があっち向いていくような気がするんだけど、自分は何としても結婚をしたいというのですね。
それで和尚さんが、卦をたてた。(和尚さんは、無料で八卦や人相、手相で占いをしていました)そして結果はだめだと、こういう卦が出たんですね。
それでちょっと手を見せて下さいといって手を見たところ、色難の相がある。貴女には色難の相がありますが、それは今のこの男性ではない。
是の後に出会う男性だと。
今回のこの男性とは失恋しますから、失恋すると気持ちが寂しくなってきますね、そいうときに気をつけなければいけませんから、この後のことをよくよく気をつけなさいと和尚さんが言ったんですね。
そしてその女性はその日は帰ったんですね。

それから二三日後に、和尚さんが用事で留守にしたんですが、出かけるその日にあのときの女性が来るんじゃないかな、と思ったんですが、その日は来なかったんですね。
そして用事を済ませて二三に後に帰って、家の人に出かける日か、次の日にこういう女性は来なかったかと聞きますと、来ました来ましたと、和尚さんが留守だと告げると残念がってましたと。ああやっぱり来たんだなあと。

それから何カ月かたって、また来たんです。
そして今度はどういう用事で来たのかといいましたら、その人がいうには、やっぱり和尚さんの言うとうりあの話しはだめになりましたと。
ところが、私はまた或る方とお付き合いをしていまして、現在妊娠をしていますと。
その頃はまだ昭和の始めの頃ですので、中絶は法律で許していないときだったんです。堕胎罪という罪があった頃なんですね。
だから問題は複雑ですよね、今と法律が違うわけですからね。
それで相手は九州の人で妻子がある。それで九州へ来ないかというのですね。ですが九州へ行ったって、相手には妻子があるし、自分には身寄りが無いわけです。
そんなところへ行ってどうなるだろうということです。
自分は母一人子一人なんだと。
自分は自業自得だから子供を産むけど、母はどんなに肩身の狭い思いをするだろうということなんですね。
それはそのとうりだろうと思いますね。

私はどうしたらいいのでしょうという相談だったんですね。
そのとき和尚さんはこうしなさいということを言ったそうですが、だけど、是の話しの前に、次の男性には気をつけなさいと注意したでしょう。
次の男性には色難の相があると。

なのにどうしてこんなことになりましたかと聞いてみると、二度目に和尚さんに相談をしようと、訪ねたとき留守だったと。
お留守でしたので帰ろうと思ったんですね。
帰ろうとしたのですが、ちょうど春で花見のいい季節だったので、せっかくここまで来たんだから円山公園で花見でもして帰ろうと思って行ったんですね。すると上の方から男性と女性が楽しそうに話しながら下りてくるのが見えて、男性は知らない人だけど女性の方は何処かで見た覚えがある人で、誰だったかなと思って、二人が下りてくるまで待ったんですね。
するとその人は、女学校時代の友達だったんです。
そしてその連れてる人というのは、友達のいとこで九州から出張で来てたんです。それで京都を案内して廻ってたんですね。
そして知恩院さんへお参りして下りてきたんですね。

それからどうなったのか、その友達のいとこと深い仲になって妊娠をした、とこういうことです。
ここで申したいのは、和尚さんが留守のときに来るという、ひとつの偶然。皆さんの常識からいうと、これは偶然ということになりますね。
前の日でも後の日でもいいわけですよね、ところがその日に来た。
それがまっすぐ帰らずに、向こう向いて行った。
まっすぐ帰ってたら妊娠するようなこともなかったわけですよね。


それからもうひとつは、あの頃は路面電車があって和尚さんの寺の近くに電停があったんですが、その電車に乗ってれば会ってないんですよね。
そしてもうひとつは、歩いてそのまま真っすぐ、知恩院さんの方を見ないで真っすぐ行っていたら会っていないわけです。
ところがふっと、横を見た。そこでその人を見染めてしまったんですね。
これはどうですか、ほんとうに偶然、偶然、偶然でしょ。最後の偶然なんて、ちょっと横を向くか向かないかでしょうに。
一つ外れたら全部外れてしまうのに。それが前もって色難の相が出てるというのが不思議じゃないですか。
これは手相に出てましたね。

だから、我々はこういうことは偶然だと思っているかもしれないけど、偶然じゃないということです。全ては必然だということです。
必然だということは、因縁だということです。平たく言えば運命です。
前もって決まってある、だから分かるんです。
占いは当たるということです。
当たるということは決まってるということですからね。
だからオカルトだといって否定する人のほうが間違ってるんだということです。

ちょっと話しはそれるのですが、弘法大師の甥だったと思うのですが、三井寺を開いた智証大師という方が居られますが、出家するときに弘法大師を頼ってきたんですね。
弘法大師は相を見て、分裂する相があると言ったんですね。
教団が分裂するという相が出てると。
おまえは真言に縁が無いから天台へ行くようにと。
そして天台宗へ行って伝教大師のお弟子になったんですね。
そして三井寺を建てたんですね。

それからもうひとつは、弘法大師が中国から帰ってきて、お寺を建てる場所を探してたんですね。
高野山に建てますが、高野山に決めるまでにあっちへいったりこっちへいったりと探していて、そして永平寺のあの辺へ行って、ああここはいいなあと思ったんですね。
それでここにしようかと思ったところが、将来我に勝る僧有りてこの山を希望せんと。
その人に譲らねばならんからといって譲ったという話しがあるそうです。
道元禅師ですね。
我に勝れり僧とおっしゃいますが、弘法大師の偉いんじゃないかと思いますので、謙遜なさったのではないかと思いますね。
そういうことがありますね、弘法大師の伝記には。

それから鎌倉の円覚寺の開山した人で、これは中国の坊さんで、時宗が誰か偉い坊さんはいないかと、日本に居らんから、中国に偉い坊さんは居らんかということで、迎えたのが無学祖元という坊さんですね。
仏光国師ですね。
この人も偉い人で、春から夏になるころ博多が大騒ぎになると。
然しそれは次第に収まるから心配しないようにと時宗に言うのですね。