小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

和尚さんの法話 「因縁と運命」

INDEX|3ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

例えば、和尚さんが受けた相談で、或るお母さんが、檀家さんだそうですが、娘さんの縁談があって、和尚さん、どうでしょうかという相談です。
占ったところ、その話しはよくないと出ましたんですね。
運命のよいにも上中下とあって、悪いのも上中下があるのですね。
この場合は、下だと。
悪い一番下の、これは絶対に止めないといけませんと。
然し、そのお母さんは、そうですか、この縁談は娘には勿体ない縁ですねんと。
それは常識な考えですね。
常識で決めるのであれば相談に来る必要が無いわけですから。
そうですか、と言って帰ったのですね。
それから、だいぶたって、その人が寺へ来たそうです。
まだあのときの話が続いてますと。
あきらめるには惜しいので、もう一遍、みてくださいと。

占いというのは、同じ事を二度見るなという戒めがあるそうです。易経の中にね。
然しながら、また見させてもらったそうです。
すると、同じ卦が出たんですね。やっぱり悪い。
これはやっぱりだめですねと。
そうですか、と。
それでも、こうして勧めて下さるのも何かのご縁だと思いますし、大難が少難に、少難が無難にと。本人さんも祈るし、和尚さんも祈りましょうと。そうは言いましたが、止めなさいという卦が出たんだから止めたほうが宜しいですよと、和尚さんが言ったんですね。
そして結婚したそうです。
ところが、半年で相手の人が死んだそうです。
短命という卦が出てたそうですから。やっぱり短命だったんですね。

なにが理由で悪いのですかと聞かれたそうですが、和尚さんは専門家ではないから分かりませんと。
結婚の場合は、幸福か不幸かの分かれ目は、相性といいますか、性格ですね。
性格の一致、不一致ですね。

それから、寿命が長いか短いか。これも問題になりますね。短命。この場合がこれですよね。短命でしたから。

それから、寿命はあるけれども、病弱。
兎に角、病弱でぶらぶらと、命はあるけれども病弱というのも困りますね。

それから運の無い人。
運の無い人に付いて行くと、これも困りますね。
そういうのはミックスしてる場合もあるし、いろいろありますがね。良い条件と悪い条件と。
和尚さんは専門家ではありませんが、どうして悪いのかと聞かれたから、見てみると、短命と出たので、これは短命と違いますかと言ったら、やっぱり短命だったわけです。
そういうふうなことで、運命というのはあるのですよ。
あるから前もって、みることができるのです。

それから、和尚さんの寺へよく来ていたという女性の体験ですが、私はもう結婚はしませんのです、というのですね。
どうしてですかと、和尚さんが聞きますと。
その人は手相を少し知ってるということで、私の手相は結婚をしても、あかんという手相なんですと。
それじゃ、見せて下さいなと。
和尚さんが見ますと、なるほど。出てますなと。結婚してもだめだという手相だったそうです。
ですが、そうですな。だめですなと、いうのではいけませんので、信仰をしなさいと。
その人も信仰心はある人ですからね。
大難は少難。少難は無難と、いうことはありますからと。
だから信仰を持てば、またプラスアルファーですから、一所懸命に信仰をなさいませと。
そして諦めなさんなと。
それからちょいちょい来てたりしてたそうです。
そこの家は、お父さんがお医者さんなんです。お兄さんもお医者さんなんです。
そのお父さんは、いつも京大へ出入りしてたんだそうです。
その京大のインターンの中に、ものすごく優秀な人が居たそうです。
そのお父さんの眼に適ったわけです。

彼は人物もいいし、頭もいいし、先の見込みの有る人だなと。
家には長男が居るけれども、家に欲しいと思ったんですね。
だから娘に養子に欲しいと思ったんです。
それで話がついたらしいのです。
そしてその人と婚約をしたのです。
婚約中でも、その女性は和尚さんの寺へ来ていたそうです。
そして、和尚さんに、こう言ったそうです。
婚約すると、近所からお祝いが来ますね。
そして一番最初にお祝いを持ってきてくれた人なんですが、お祝いというのは、紅白か、金銀ですよね。
玄関へその人が来て、母親が応対をして、自分は奥の部屋でそれを見ていたのですね。
そしてお祝いの包みを出したとき、それが白黒に見えたそうです。
お祝いなのに、香典に見えたそうです。
お祝いを頂いたのに、それが香典に見えましたと。
不吉ですねんと。
和尚さんも、その話しを聞いて、またそんなことを。錯覚でしょうと。

そして結婚しました。
ところが、間もなく死んだのです。
その人は、なにかの黴菌の研究をしていたそうで、それを自分の身体を実験台にしていたらしいのです。
それで死んだのです。
この話は、京都新聞にも載ったそうです。
だから、その人は、その人と結婚をするようになっていたわけです。

だから運命鑑定はしたほうがいいですね。
特に結婚をなさる前にはしたほうがいいですね。

運が良ければ上手くいきますが、それは偶然ではなくて、その人はそれだけの徳を持ってあるということです。
運命を見てもらわなくても、幸せな結婚が出来るという運を持ってあるのです。
それはそれで宜しいのですが、不安定の場合があるわけですね。ひょっとしたら、上手くいかないのではないかとね。
結婚に限らず、そういう不安なことはありますね。
だから運命鑑定ということは、大事だと思います。
運命というのは、決まってる。何故決まるのかと、思いますね。


和尚さんの在所に、或るお婆さんがいまして、その方が若いころに子供が病気になって、そしてご主人は亡くなっていて、家は貧乏で毎日働きに出ていくような境涯だったんですね。
三人、お子さんがいるそうでして、その長男が病気になって、お医者さんが見離したんです。
お医者さんが見離したんだから、あとは神仏にお願いするしか方法は無いと。
然しながらその人は神仏というのは有るとは思えない。
信じていないんですね。その時は。
然しながら、人は、何処でどういう御利益を受けた。何処でこういうお陰を蒙ったと言う人は一人や二人ではない。
ひょっとしたら、神仏というものは有るのだろうかと。
自分は無いと思うけれども。
有ると仮定して、そして一所懸命に祈ったら、神仏が有るなら有るで何かが起こるだろうと。
そう思って、そして12月の寒い最中から、滝に打たれに行って、どうか神仏があるならば、子供の命を助けて下さい。
そのために私の命は取り替えてもらっても、縮まっても結構ですと。
毎晩毎晩、滝に打たれん行ったんです。

そうしましたら、或る晩に声が聞こえてきまして、