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KGU~CODE:ZERO~

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 この頃伊勢の屋敷に一人の男が囲炉裏を炊いていた。ボロボロの袴に長く伸びきった黒髪の男がキセルを銜えていた。神宮郊外人気の無い森の奥に屋敷がある。男は、刀を解いていた。この男の名こそ斎藤幽齋宏繁(斎藤家二五代目当主・細川家七代目当主)幽齋は、細川由齋という戦国期・江戸初期に活躍した武将にし、軍師。関ヶ原ではどちらにつかず第三者としての目で参加した。幽齋の隣に黒髪の黒コートを着た男性が座っていた。
「おう、エンペラー食えよ!うんめぇーぞ」ゴツゴツ煮込む鍋に五平餅。日本酒神宮の郊外の森に屋敷がある。築四百年の瓦葺きの屋根の屋敷に二人で住んでいるが、シェアハウスとしてエンペラー以外に身寄りの無い浪士を引き取っている。
「旨い。寒い日に鍋は最高だ」エンペラー当時十二歳。CODEを使う前まで幽齋が父親代わりで神宮の屋敷に育てられた。剣術指南役には備前藩藩士萬陀羅万之介(まんだらまんのすけ)・薩摩藩藩士胸野凶朧雨(むなのきょうおぼろさめ)・鳥羽藩藩士(神宮御陵教育庁長官代行林崎文庫・豊浦崎文庫名誉教授)二見零(ふたみれい)この三人は、異国(脱藩)異人。経緯は不明だが幽際の屋敷で暮らしている。三人の内二見零は金髪ボブの女。白衣のコートを着てショートパンツをはいている。経済学・神話学・魔術・呪術・陰陽術・考古学・性交学の学者。齢三十二の若さで、孝明天皇に仕えている。神宮文庫の林崎文庫の客員教授として、門下生に教えている。
「二見先生!」門下生に吉田登も赤松律も居た。CODEを教える塾として二人は熱心だった。
幽齋にも事が分かっていた。屋敷にエンペラーは縁側に座って月夜に杯を交わした。
「今日の講義も中々のうて・・・・土御門家の小童も才はあるが、頭は馬鹿じゃ」零の言うとおり土御門正道は当時陰陽道の総括を任されており、孝明天皇の陰陽道にも携わっていたが零の指導で立派な当主になったものの若さ故に才を棒に振っていた。
「正道、お前にこの神宮御陵衛番長を任ずる。私の元で働け」零の委任状で正道この時二十一歳。後に金作綾美の先祖に当たる。CODEは、空間。正道は、毎朝掃除から炊飯を積極的に行った。
「おう、今日は上手いメシじゃのう」凶朧雨が感服した。今日の献立は、伊勢エビの五十鈴川風リゾットと赤福と松阪牛のミルフィーユ仕立ての三品。正道は料理の才もある。零が、食後正道に空間の使い方を教えた。その二年後の慶応二年夏CODE:EDENの上位CODE:EDGEの十賢者に選ばれるのであった。既に零も凶朧雨もEDGEの賢者であった。
「エンペラー、来い!」万之介が刀を抜いた。剣術指南で、CODEは無いごく普通の一般人だが、その強靭な精神力と回復力は圧倒する。ほっそりした体型に痩せた頬に長い銀髪で咳き込み結核を昨年治療してその刀の腕は天皇お墨付きである。師匠春川禅舟齋(百)は、攘夷派の志士で剣の腕は天下一。幼い万之介に剣を教えた。名刀氷雨を受け取り、その氷雨の美しく優美な刃は斬った者の血を凍らす。その氷雨を作ったのが、刀匠朧雨氷雨である。
 「魔雨」刀を鞘のまま抜かずにエンペラーの鳩尾を突いた。
「ぐがっ!」一瞬の出来事で砂利に手をついて呼吸が荒くなった。幽齋は黙ったままエンペラーを見ていた。立ち直りCODEに集中した。
「蒼いそら(ブルー・スカイ)Ⅹ天龍(ツェーン・ロンティエン)」サタンを腕の中で球体にして蒼い焔が燃え上がったときに、焔を剣にして回りのCODEを断ち斬る退魔の属性がついた剣技。万之介は刀を抜いた。
「死鬼喰婆(しきくうば)」刀の覇を己がコントロールしてエンペラーの技を刀が数ミリ単位焔を貫き、エンペラーは鳥居にぶっつかってCODEが消えた。
「糞ッ!っててててて・・・・・」右腕に激痛が走る。エンペラーのCODEは、人のCODEである。元々はサタンという地獄の魔王の持つCODEであるが、幼いエンペラーが昔死にかけていた時期がありその時に、サタンがエンペラーの命を救った。彼こそ神武の祖。始めに言うが、ややこしくなるかもしれないが地獄のCODEを最初に持っていたサタンである。それから、神武に伝わり以後彼の血族は地獄のCODEという神殲滅の至高の力を手に入れる。
「今、見て思ったのはCODEを持てない俺でも分かる。分かるか?」
「分かってるよ。切り替えが早いし、途中技を止めた」頷く万之介。それを見ていた、血のCODEを持つ凶朧雨は髭面の黒い羽織を見た大剣を持つ男。黒い髪に眼帯をして肉体が作り上げている。エンペラーもCODEの集中で本来の力を解放した。神域を汚すことになるが、今はそれだけじゃ無い。
「血槍血弓(ブルートランツェブルートボーゲン)」凶朧雨の大剣が赤く染まり冷え切る冷たさの血で圧縮し血塊の槍と弓にエンペラーはコートで防いだ。幽齋もそれは、と顔を見せた。
「黒衣の冥走馬灯(ベルフェゴール)」・・・・橙の焔が血をはじき返した。CODEと戦うのにCODEを消す相手を如何に化かし合うのが勝利のコツ。俺はこうして一年間修行をみっちりしごかれてCODEを元の状態に使えるようになった。その間に前妻にも再会した。彼女も俺と同じCODEを持つ。
 ―――――――――嘉永十年―――――冬
 九年の秋に帰国子女で、帰ってきたのが天保五年にアメリカに渡って日系アメリカ人としてその姿を見せた。かつて・・・・CODE:EDEN創設時№Ⅰであったクミカであった。
「うへっええっ!」その姿はエンペラーの母そっくりで、言わずと知れたエンペラーの妻である。馴れ初めは、出会いは今から十年前腕をサタンからもらって一人荒野を彷徨って幽齋に拾われて日本中旅をしているときに、浪士に襲われてるのを俺が助けた。それがきっけだっけな?俺もクミカはフードをかぶって動じなくてよどうしようもないが、神宮に引き取って暫く生活して十年後の秋に、婚約した。勿論、クミカはアマテラス第五の末裔俺からしてみれば姪だという。地獄の異能形式Ⅱ(フォルム・ツヴァイ)ヺ持つ女で、この力を理解できた俺と意気投合した。最初の二週間SEX漬けで起きて腰が痛い日が続いた。それでも、一年したら子が出来た。俺の子だ。しかし、子を連れてクミカは海を渡った。幽齋が、話しを進めてクミカはCODE:EDGEの仕事で俺に積極的に近づいて殺す予定であったが子を孕ませてしまい、それを悟りアメリカに渡った。
 「しばらくですね。エンペラーさん」
「おう、元気そうじゃネェーか。心配したよ」
「御免。隠すつもりじゃなかったの・・・・CODE:EDGEの十の仕事知ってる?EDEN直の任務でしくじれば殺されるの。私は其のEDGEの王よ。エンペラーさん私を自由にさせて!」
幽齋は、元々は大阪で生まれてそれ以降は津藩で過ごしていた。幽齋は日本酒を飲んで歓迎した。クミカは、エンペラーの妻。(後に前妻)神宮で数ヶ月過ごした。
 エンペラーも十五歳になり、元服。幽齋も正一位昇格。
その年に、妻はCODE:JOKERに昇格昇進。CODEの王に君臨した。
「エンペラーさん、良いですか?」
「うん。あぁ、俺は・・・・エンプレス」
「え?エンプレス」
作品名:KGU~CODE:ZERO~ 作家名:LordShurain