moonlight 改稿版(前編)
部員達はネオの大声で盛り上がる。
そして、練習という名の夜の宴が今日も始まった。
――総合祭まで、あと二週間と三日。
※※※
「ふう……」
落ち込んでいるような表情で、専門教室棟の階段を歩く実緒。
やはり、相談した方がよかったのだろうか。いつも応援してくれる彼女なら、力を貸してくれただろうか。
いや、これは自分の問題だ。人に助けられても、結局は自分が解決しなければ意味がないのだ。せっかく、彼女は目標とした夢舞台へと立てるのだ。こんな大事なときに、巻き込むわけにはいかない。
気がつけば、美術室の前にいた。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ