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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|86ページ/89ページ|

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「そ、そう?」
「そう! 世の中近づ離れずの距離で語り合うのが一番! ずんずん前に出たら、逆に言えなくなるし、無神経って思われてしまう。友達付き合いも駆け引きが重要だよ。大丈夫さ。時が来れば、そのうちあっちから悩みをぶつけてくるわよ」
「そう言われると、確かに……」
 みちるの言い回しに、自然と納得してしまう。
「よし! 分かったんなら堅苦(かたぐる)しい話はもうおしまい! あーあ、活動開始から五〇分も経過して、日も落ちちゃったよ。誰かさんのせいで」
 みちるは踵(きびす)を返して、定位置にあるエレキギターのケースを開く。
 彼女に嫌味っぽく言われて、
「うっ……悪かったよ……」
 そこには責任を感じたのか、ネオは素直に謝る。
「健斗も巧もすぐに準備をする!」
 二人もみちるの指示に「うっス!」、「はい」と、自分の定位置で準備を始める。
「今日は総合祭で歌う楽曲の音合わせをするんだから、本番だと思ってやるように! 特にネオ!」
 ビシッと、黒いエレキギターをストラップで吊るして左肩にのせた状態で、右手の人差し指で、ネオの顔を差す。