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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|85ページ/89ページ|

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「こういうときって、わたしから聞くべきなのかなぁ……?」
「大丈夫よ」
 みちるがネオの前へと出る。
「そんなに仲良くやっているのなら、楽しいと思っているわよ。寂しいんじゃないの?」
「だといいんだけど……」
「まあ、人間、誰にだって言えない悩みの一つや二つはあるからね」
「うーん、でもなあ……」
 精一杯の作り笑顔っぽかった実緒の表情が、ネオの脳裏に焼き付く。
 とにかく、煮え切らない気持ちでいっぱいなのだ。
 「誰にだって、言えない事はある」というみちるの言葉も理解できる。でも、吐き出すことでスッキリすることだってあるはずなのだ。そのための友達なんじゃないのか、とも思う。
 ――本当に黙って見守るべきなのか。
「ネオ、心配し過ぎだよ」
 ネオは右肩を優しく叩くみちるを見つめる。
「そんな風に考えることは良い事だけど、言いたくない事まで踏み込んで『話してよ!』と押し付けたら嫌われてしまうよ」
 『嫌われる』という言葉に、ネオはビクッ! と背筋に電撃が走った。