moonlight 改稿版(前編)
「……ま、待っています……」
みちる、健斗、巧の順にそれぞれ期待を寄せた。
そのことを実緒に伝えなくっちゃ! とネオは内心思ったが、
「うん……でも、ちょっと……」
いきなり、気難しい顔に方向転換する彼女に、三人は、ん? と目を丸くしながら見つめる。
「まさか、これだけ期待しといて、『実はウソでしたー』とか言うんじゃないだろうね。エイプリルフールはとっくに過ぎているんだけど」
みちるが目を細める。
ネオは慌てて両手を開いて左右に振り、
「ちがう、ちがう! ただ、気になることがあって……」
「気になること……?」
うん、とネオは頷き、普段見せない真剣な表情を見せる。
「最近気づいた違和感なんだけど、最近、表情が暗くなっているような気がして……」
「暗い?」
首を傾げるみちる。
「夏休みは、ものすっごい明るかったの。テンションも高かったよ。ところが、学校が始まってからの昼休み中の実緒は、明るいんだけど、どことなく暗くて……それが、だんだん目に見えてきて……う〜ん、わたしの思い違いなのかなぁ……」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ