moonlight 改稿版(前編)
もう一度見せて、とネオに頼み、ネオの自画像をまじまじと見つめる。
「で、わたしの勝手でお願いしたんだけど……この同好会をアピールするためのポスターを、今、描いてくれているんだ」
「ええっ!?」
マジっスか! と痛みから復帰した健斗がサッ! と立ち上がる。
「それって、俺ら全員が入っているってことっスか?」
「当然でしょ。わたしが特徴を教えたら、それはもうそっくりに描(か)いてくれて」
「そ、そっくり……」
現実の自分をリアルに描いているのではと考え、絶句する巧。
「……タッくん、何もそこまでリアルじゃないわよ。ファイナルファンタジーじゃあるまいし。ていうか第一、ゲームみたいにCGで描かないわよ」
巧の考えていることを見透かすようなツッコミを入れる。
「ちゃんと漫画にでてくるようなキャラになっているよ。あとはカラーを塗るだけだから、期待しててね」
ふふっ! と笑みをこぼしながら、ネオはウィンクして見せる。
「おお、それは楽しみだね」
「オレのカッコよさを際立たせてくださいよ」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ