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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|77ページ/89ページ|

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「うん。白黒で塗ろうと思うけど、どうかな。縁取るからひとりひとりが目立つと思うんだけど……」
「実緒が思うなら、それでいいよ」
「えっ、いいの?」
「わたしは実緒の慣性(かんせい)を信じているから!」
 ルンルン気分で答えるネオ。このテンションは、一日中続きそうだ。
「あ、ありがとう……はあーっ」
 実緒は、ものすごく喜んでくれたことに一息つき、空気が抜けたかのようにへたりこむ。
 そんな彼女を見て、
「もう、大袈裟(おおげさ)なんだから」
 ネオは苦笑する。
「だ、だってぇ……」
 じ、自信が、と実緒は小さく呟く。
「もう、卑屈なんだから……いい、実緒!」
 ネオは立ち上がり、胸を当てながら、
「少しは自信を持ちなさい! 実緒はできる子なんだよ! 少なくともわたしはそう思っている! 卑屈になってたら、前へと進めないわよ! 恐れる必要なんてない!」