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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|55ページ/89ページ|

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「だから言ったのに……はい、お茶」
「ありがとう」
 あやうく熱中症になるところだった……、とカーペットの上にへたりこんでるネオは、お茶をグイッ! と飲み干した。
 乾ききった喉が一気に潤い、
「ぷっっっはーっ、生き返った――――っっ!」
 ドン! とローテーブルにコップを叩きつけた。その姿はビールで疲れを流し込むサラリーマンのようだ。この瞬間だけ、ネオは間違いなく中年のオッサンへと変わった。
 そのオッサンに実緒は、
「じゃあ、もう一杯いりますか? ご主人様?」
「うむ。いただこう……って、わたしはアキバ系の男どもか!」
 メイドのような姿勢でネオをもてなす彼女に、すかさずツッコミを入れる。その空気が妙に可笑しくなって、二人は笑い合った。
 実緒の意外な一面をまた見ることができ、ネオは嬉しかった。打ち解けてよかった、と心からそう思う。
 ふう……、と一旦、呼吸を落ち着かせ、
「それにしても……」