moonlight 改稿版(前編)
「しょーがないね。携帯に何回かけても出ないから、三人でさっさと……」
「みんな――――――っ!!」
外からネオの大声が聞こえてきた。
ややあって、
ズザアァァァ――――――ッ!!
急ブレーキで砂埃が巻き起こる。
猛ダッシュでここまで来たことをアピールして、お騒がせ娘がみちるたちの真正面に現れる。
そのまま靴を脱ぎ、
「ごめ――――――ん、遅くなっちゃった」
涼しげな顔で、ネオはすぐさまプレハブ小屋へと入っていく。
「「……」」
「あれ? みっちぃ、健斗、どうしたの?」
冷たい視線で自分を見つめる二人に、ネオは訝しそうに見つめる。巧は冷徹な二人が恐ろしいのか、背中を向ける。
みちるがネオのもとへと行く。その一歩はズシン、とプレハブ小屋全体を揺らしているかのようだ。
「?」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ