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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

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 ――そんな日々が毎日続き、気が付けば九月の中旬。
 まだまだ残暑の厳しいこの季節。しかし、そんな暑さをものともせず、総合祭へ向けて、先に参加が決まったネオたちのテンションは、日に日に高くなっていく。
 今宵(こよい)も沈む夕日をバックに、演劇部の活動を終えたプレハブ小屋で、せっせと機材を準備し、活動を始めようとした……のだが、
「ネオ先輩、遅いっスねぇー」
 健斗(けんと)が呟く。
 「前もそんなことがあったような」と巧(たくみ)。
 腕を組んで苦虫を噛みつぶしたような顔のみちる。
 三人は何の返事もないネオを待っている。
 今日は総合祭でやる選曲を一通り音合わせする日。そのため、ボーカル兼リーダーである彼女がいないと練習にならないのだ。
 壁に飾られている時計の針は六時半を指している。活動開始の時刻から三〇分経過。
 「ほんとあの人、何やってんっスか」と不満を垂らす健斗に、
「アレでも二人の先輩でリーダーであって創部者だってのに……自覚がないのかねぇ。何度言ったら分かるんだか」
 額に手を当て、呆れるみちる。