moonlight 改稿版(前編)
ネオは不思議そうにみちるを見つめる。
そして、
バッコ――――――ン!
ネオの頭にタンコブができた。
「いった――――――い! な、何すんのよ、みっちぃーっ!」
コブの部分に手をあて、左側の目を瞑(つぶ)って痛みを噛みしめる。
「なーにが、何すんのよ、だよ! 連絡も寄越(よこ)さず、三〇分も遅刻して! えぇ!?」
フン! と腕を組んで、右斜め上に顔を向けてネオを見下す。
これじゃあどっちが部長なのか分からない。
「ほんとッスよ先輩! 今日から実践(じっせん)だっていうのに、迷惑かけすぎ……」
呆れ口調で女王の発言に同意する健斗。
何よ、ナル男(お)のくせに! と文句を言いたいところだが、みちる様が壁を作っている以上、文句を言えまい。メンバーに迷惑をかけたことは事実だ。
というわけで素直に、
「申し訳ありませんでした」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ