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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

INDEX|37ページ/89ページ|

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「ネオー」
「!」
 ――実緒のピンチに応えるように、みちるが教室へと入ってくる。途端にネオは、急に姿勢を真っ直ぐ伸ばし、彼女を見つめる。
 黒薔薇の女王は、不機嫌な顔をしている。
「み、みっちぃ……」
「……早くしな。みんな、ネオを待っているから」
「え!? まだじゃないの?」
「今日は演劇部が休みだから、昼からやろうって言ったのはどこのどいつだよ?」
 ゴゴゴゴゴ、と揺れるのを感じる。
 え? ちょっと待って! とネオは速攻(そっこう)で昨日のことを頭の中でふりかえる。
 ――ええっと、夏休みに市内の音楽ホールでやる、『アマチュア・ロック・フェスティバルin IWAKUNI』の音合わせをするのは良いとして、昨日、活動前に演劇部の部長から「明日、休みだから、昼から使っていいよ♪」って言われて……、昼からやれる! いっぱい練習できる! うれしいーっ! ひゃっほぅ――っ! と大はしゃぎしていた……ね。
 ネオの額から冷や汗が垂れる。
「あは、あははははは……ごめんなさい」