moonlight 改稿版(前編)
「うん!」
実緒も拳を作って、ネオのそれとコツン! と当てた。
「それにしても、ネオと実緒……うーん、名前も似ているからなのかなぁ。似た者同士だよね、わたしたち!」
ね! と太陽のような笑みで、実緒の両肩をガシッとつかみ、顔を覗き込む。
え、えええええ!! と実緒は困惑しながら、
「そ、そう?」
と答える。
「うん! 絶対!」
何を根拠に言っているのか、まったくもって意味不明だが、ネオは感慨深げに腕組みをしながら、うんうん! と頷く。
そんな彼女に申し訳なさそうに、
「あ、あのー、それって名前だけじゃ、ないかなぁ……」
それを金魚すくいの達人みたく、
「な、何よーっ! わたしと一緒だってことが嬉しくないの!?」
スパッ! とすくい上げ、顔を風船のように膨らませて鋭い目つきで実緒の顔に迫る。
「あ、いや……」
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ