moonlight 改稿版(前編)
その結果、同好会の創部が認められた。
創部という願いがかなって、ネオはみちるとともに喜びを噛みしめた。本当に心から喜んだ。同時に、色々な方たちに迷惑をかけたことも事実ということを忘れてはいけないと、ネオは思った。ここにいる学生のたちのおかげで、それが成り立っていることを。それを裏切らないために、自分なりに走っていかないと。
「うん、そうだよね……」
視線を床に向けて、ネオはポツリと呟く。
「ネオちゃん?」
「ああ、ごめん、ごめん。ちょっと、去年のことを思い出したっていうか……」
気にしないで! とネオは笑ってみせる。
「あ、そうそう。実緒、わたし、あんたの絵が気に入ったから、いつでもいいからいっぱい見せてくれない?」
「え!? ……で、でも、あまり期待しない方がいいと思うよ」
自信なさそうな声音で答える。
「いいや! あんたはどんな絵でも上手い! いや、絶対!」
あまり見せる気がない実緒を、ネオは自信たっぷりに励ます。
作品名:moonlight 改稿版(前編) 作家名:永山あゆむ