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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

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 学校のルールに乗っ取った行動をしたら、すんなり創部できたかもしれない。先生たちの説得よりも、先に生徒会とコンタクトを取って、味方になってもらう……とか。
 ――昨年、生徒会や先生の許可もなく、一年から三年までの全クラスに、誰もいなくなったタイミングを見計らって、教卓側の黒板に、「プレハブ小屋でゲリラライブ開催!」のビラを貼ったのだ。
 翌朝は大混乱だった。学生たちは、「おおーっ」、「楽しみだな!」と、感嘆の声をあげていたが、クラスを受け持っている先生たちは驚愕(きょうがく)した。「何の許可もなく宣伝するな!」と、担任の先生や、軽音の創部を良しとしない教頭にこっ酷く叱られた。そして、それを教えなかったみちるにも。当然、この独断専行(どくだんせんこう)のライブは中止になった。
 しかし、これが学生全員の注目の的になったのは、不幸中の幸いだった。
 休み時間に、「是非やってくれよ!」とライブの開催をクラスメイトやネオ知る学生にせがまれ、「勝手にプレハブ小屋を開催場所にするのは感心しないけど、少しの時間なら使ってもいいわよ」と友達を通じて、演劇部の部長に許可をもらうことが出来た。そして、生徒会にも話をして、「これで評判が良かったら創部について考えて!」と説得し、生徒会の認可を受けて、先生には内緒でゲリラライブの開催が決定したのだ。
 途中から駆けつけてきた教頭を始めとした、数名の教師たちが止めに入ろうとしたが、それは演劇部や生徒会、そしてプレハブ小屋に集まった大多数の学生たちがネオとみちるの盾となり、大盛況のうちに幕を閉じた。