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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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moonlight 改稿版(前編)

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 ――間に合わなかったか……。
 ネオは覚悟を決め、後ろにいるその人のほうへと振り返る。
「あ……」
 死線を見てしまった。この目で見るのは何度目になるのだろう。四、五回目だと思う。
 そこにいたのは自分の遅刻でカンカンになっている、副部長で親友の長里(ながさと)みちる、いや、みちる様であった。ちなみにギター担当。
 左手に持っている飲みかけのドリンクが、メキメキ、と音を立て、茨のとげのように鋭くなった漆黒の髪の毛先は、ネオが兄のゲームプレイを見たときに出てきた、妖魔メデューサの髪のようだった。長い髪がうねうねと動き、すぐにでも部長――ネオに突き刺そうとしていた。
「ご、ごごごご、ごめん、みっちぃ! ここここ、これには、ふかい、ふっか――――い、わけが!」
「うるせえ! どんなにちっさい理由があってもなぁ、連絡ぐらいよこせっつーの!」
「電話しようとしたわよ! だけど、充電が切れているのにまったく気づかなくて! だから、だからね、元のみっちぃに戻って冷静にわたしの話を……」
「問答無用!」
「きゃああああああっ!」